ピアノが発明される前の弦楽器系鍵盤楽器は、チェンバロとクラヴィコードであった。
前者はある程度の音量は持ち合わせたものの、レジスターの切り替えで何段階かの強弱を出せる他は自由に強弱を演奏することは困難であった(強弱を付けているように聴かせる演奏技術はあったが)。
一方、クラヴィコードは強弱が自由に付けられた(さらに打鍵した後で鍵を揺らすことによってさらに表現を付けることができた)ものの、音量が得られず、狭い室内での演奏にはよかったものの、ある程度以上の広さの空間で演奏するには耐えなかった。
そこで、クラヴィコードに音量を得させるために、より弦に張力を与え、その張力に耐えるフレームを用意したことにより、チェンバロとクラヴィコードの両方の欠点をなくして、音の強弱を表現が自由に行えながら、より広い演奏会場でも音が届くようになったのが、この楽器である。
17世紀後半に、イタリアのバルトロメオ・クリストフォリ(Bartolomeo Cristofori)
が発明したとされる。1709年に発明されたという説が語られる事もあるが、これは確定的なものではない。