ピアノの奏法は、最初はチェンバロのそれの流用であった。しかしながら、チェンバロよりも残響が長い楽器では、音を続けて演奏する奏法がより効果的であるため、レガートに演奏する方法が生み出されていく。レガート奏法はクレメンティ(現在ではこの説に異議が唱えられている)によって開発されたとされ、それまで2本の指を交互に使って切れ切れに音階を演奏していたのを3本ないし4本の指を使い、親指が他の指の下に位置する指遣いによって完全なレガートを作り上げた。
19世紀にはヴィルトゥオーゾのピアニストらにより、リストの半音階、3本の手などの新たな技巧が開発された
連弾
ピアノは1人だけでなく、2人が座って高音部と低音部を弾き分けることも可能である。これを連弾という。
カミーユ・サン=サーンスの「交響曲第3番『オルガン付き』」では、第4楽章においてオーケストラ内のピアノが連弾で用いられる。(しかし主役はオルガンであり、そちらの方がずっと目立つ。)また一般的な2人で演奏する4手連弾のほかに、3人で演奏する6手連弾もラフマニノフなどの楽曲に作例が見られる。
2台ピアノ
ピアノを2台並べて演奏する方法。連弾よりも音量において勝り、また奏者が2人とも音域に制限されずに演奏できる利点がある。その反面、音が混ざり易く、雑多に聞こえ易いという短所もある。
多くの場合は2台のピアノを向かい合わせに置くため、2台目のピアノは反響盤が1台目と反対方向に向いてしまう。このため、大抵の場合は2台目の上蓋を取り外して演奏する。
2台ピアノのために書かれたオリジナル曲のほか、オーケストラ曲やピアノ協奏曲を試演する際にも用いられる。この試演とは、主に19世紀において限られた音楽関係者の聴衆を前にオーケストラ曲の新作を披露する際、または現在においても音楽学校などでピアノ科の生徒が協奏曲を試験などに際して弾く際に用いられる演奏手段である。2台目のピアノを連弾にし、合計3人の奏者が演奏する場合もある。